税理士試験 初期段階から理論暗記の題数を絞るのは「悪手」

税理士試験の税法科目を受験する上で避けられない理論暗記。

近年は規定をそのまま書かせるような、いわゆるベタ書き問題は減ってきているものの、応用理論が出題されたとしても最低限条文が頭に入っていないと解答できないので、依然として理論暗記は税法科目を突破するためには必要不可欠です。

ただ、その理論暗記の大変さ、特に、ボリュームの多さや記憶の定着といったところに、多くの受験生が苦労しています。

ボリュームでいうと、TACの理論マスターの場合、法人税法で120題ちょっと、所得税法で70題ちょっと、消費税法で40題ちょっと、といったところでしょうか。

もちろん、年度によって法改正やカリキュラム変更に伴う教材の改訂があり、題数もそれによって増減するので、おおよその題数ではありますが。

私の体感した限りでは、消費税法の40題ちょっとですら大変だなあ、なかなか覚えられないなあと感じたぐらいですし、それより多い法人税法、所得税法、相続税法は言うまでもありません。

そんな中で、受験生の間でよく見受けられるのが、初年度なのでABランクの理論のみ覚えてCランクは暗記しない、とか、〇〇の論点は出る可能性が限りなく低いので捨てる、といった、理論の題数を絞るという行為です。


理論の題数を絞る、ヤマをはるという行為の是非

私の個人的な意見としては、その年度に確実に合格したいのであれば、最初から理論の題数を絞ることは絶対にすべきではありません。

その年度に確実に合格したいのであれば、と条件付きで書きましたが、税理士試験を受験する人で合格したくない人はいないはずなので、本気で受かる気があるなら絞らないでください、というニュアンスで捉えて頂ければと思います。

その理由としては、下記です。

まず一つ目。

本試験の各科目の出題実績や出題傾向を見ると、予備校のランクや予想とマッチした問題が必ずしも出題されているわけではなく、逆に、予備校的にランクの低い論点や、通常出ないと想定されていた近年出題実績のある論点も出題されています。

もちろん、出題傾向に合わせた学習計画やそれに沿った理論暗記も必要ですが、ランクが低いからといって軽視し過ぎるのは少々危険です。

二つ目は、一度暗記の対象から外した理論は、最後までノータッチとなる可能性が高いことです。

学習開始から本試験まで一度も開かなかったページから出題されたらどうなるか。せっかく辿り着いた本試験で、何かしらの努力の爪あとを残すことすらできなくなり、その設問については0点が確定してしまいます。

結果的にほとんど覚えられなかった理論でも、意識的にあるいは無意識的にほんの数回でも目にしたことのある部分であれば、もしかしたら白紙にしないで済むかもしれませんし、点数がもらえる可能性だって十分にあるわけです。

以上が理由です。

但し、直前期に入り、本試験まで時間が差し迫っている中で、重要度の低い理論まで手が回らない、という状況に陥ってしまった場合は、いわゆる「ヤマをはる」という戦略をとることは仕方がないかなと思います。

ただ、ヤマをはるといっても、対象の理論以外のページも何回かは目を通しておくと、万が一ヤマが外れた時に、解答用紙を白紙にせずに済むかもしれませんね。

「ヤマをはる」の続きですが、そもそも、ヤマをはらなければならない状況に追い込まれないように、日頃からしっかり理論暗記を進めていくことが必要です。

ヤマをはるのは、あくまで最終手段ということと、成功する確率は高くないということを認識しておくべきでしょう。

まとめ

最後に、題数を絞るということに関する私の見解をまとめると下記の通りです。

本気で合格するつもりがあるのなら、最初から理論の題数を絞ることはやめたほうが良い。暗記していない論点が出題されたら、その時点で不合格を受け入れなければならない。

但し、直前期、重要度の低い理論まで手が回らない、という状況であれば、ヤマをはるという戦略もやむを得ない。ただ、当然リスクが高いので、そのような状況に陥らないように日頃から理論暗記を。




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